カーボンゼロⅥ..恐竜との共存は実現出来るのか(完)
最近何かとメディアが話題になることが多いので、今回はそれに関することから話を始めたいと思います。
先日NASAが昨年の平均気温が1880年観測開始以降最高となったとの報道があったのはご存じでしょうか?同日には欧州連合の気象情報機関も産業革命(18世紀半ば~19世紀)前から1.6度上昇したと発表しています。パリ協定で目標としている+1.5度をすでに超えたと言うことです。しかし、この時の日経新聞のタイトルは、「地球の平均気温 24年過去最高」です。記事をしっかり読めばいつからという情報もわかりますが、タイトルだけ見た方には、地球が出来て(約46億年前)以来と誤解してもおかしくありません。因みに、最近日本民間放送連盟のTV-CMでも、「23年7月に世界平均気温が過去最高を更新」と流れています。当然、出来たときは火の玉のような状態であったのは想像しやすいので、そう考えた人は少ないとは思いますが、当初の活動が安定して以降、例えば前回述べた気温の高かった恐竜の時代とかが現在より気温が低かったと受け取ることは一般にあることと思います。SNSは勿論ですが、メディアの報道は何が事実なのか常に確認する必要があります。特に、印象を際立たせるという性格を持つタイトルだけに踊らされることは避けなくてはいけません。メディアは読まれたり、見られたりする必要があり、興味を引くように情報を流すことは当然のことですから、それに接する側がよく確認していくしかありません。又、メディアから報じられる意見は、どれだけ公平性を標榜していようが、報道することを選択する時点からそのメディアの価値観が入っていますので、記事の内容も鵜呑みにすることは絶対に避け、何が事実で何が意見かを吟味しなくてはいけません。この事は、ビジネスでの判断をする際には重要となるケースは多いと思います。ただ、意見であっても、それが風潮となればビジネス機会ともなりますので、切り捨ててはいけません。そのことを理解した上で、事実や意見を自ら判断して活用していく必要があります。例えば、米国のトランプ大統領は、温室効果ガスによる地球温暖化を推論に基づくもので事実ではないと言っているようですが、事実でなかったとしても現在は少なくとも風潮になってはいるとは思いますので、ビジネス機会(又は脅威)として無視はできません。トランプ大統領の就任で風潮が変わるかには注視は必要ですが。
さて、恐竜と共存するためにはどうしたらいいでしょうか?一つには、ジェラシック・パークのようにあるエリアを恐竜居住地として恐竜の住める環境を整える(多大なエネルギーを要することが想定され現実的ではないかもしれませんが)ことですが、他には、恐竜全盛時代のように温暖化した(温暖化対策をしない中での)地球環境で生活できるように人類が合わせるというのも可能性としてあります。植物の活性化が期待でき、もしかすると国連世界食糧計画(WFP)の「今日を生きるための食料、8億人待ち」の緩和に繋がるかもしれません。当然、生態系が大きく変化するでしょうから、人類は英知を尽くして食生活をこの環境に順応させていく必要はあるでしょう。温室効果ガスを抑制することに成功しても、地球誕生以来46億年(人類誕生以降とか産業革命以降ではなく)の温度変化を考えると地球が今より温暖化しないとは言い切れませんので、温暖化による生態系の変化に対応しておくことは無駄ではないような気もします。ビジネスの世界でも、リスクケースへの対応を常に考えていくことは必要です。ビジネスは、メインシナリオ通り行けばいいですが、そうならないケースとなった場合、準備が出来ているか否かは決断のスピードに大きく影響し、それが命運を左右する可能性もありますので、リスクケースを常に考えておくことをお勧めします。