不適切にも懐かしく、、、こうして立派なサラリーマンになりました(その1)
2024年の流行語大賞が「ふてほど」でありましたが、このドラマ「不適切にもほどがある」、昭和世代の私には妙に親近感がありまして、そういえば若い頃(当然昭和ですが)今では考えられないようなハラスメントまがいの行動が許されていたよなあ、と。
下っ端心得、入社間もなく配属されたとある部署で先輩から嬉しそうに渡された紙片、その職場の下っ端の奥義が伝わる巻物のようなモノで、嬉しそうに「あはは、君が来たのでやっと僕も下っ端卒業だ」。10項目ほどでしたか。記憶にあるいくつかをご紹介します。
心得その一、心得その二、心得その三、心得その四(以上本号) 心得その五、心得その六、番外編 |
その一 誰よりも早くオフィスに出勤し、洗った灰皿を先輩の机に配る。
昭和の50年代のオフィス、デスクの島のあちこちでもうもうと一日中煙草の煙が立ち上り、夕方になると灰皿に吸い殻が山盛りになって居る猛者が何人も。吸わない組が健康被害や髪や衣服が煙草臭くなるとの苦情を言おうものなら逆に人権侵害だと怒られ、嫌煙者はひたすら耐える時代でした。
その二 当日の仕事終わり時に、行きつけのスナックに空き席があるかを確認しておくこと。言われなくても何件かに電話を入れて、多量の100円玉を両替しておくわけです。当時オフィスが地区を代表するような一大繁華街に隣接していて、深夜近くに仕事を終えると、カラオケスナック直行、水割りを胃袋に流し込み、ママ手製の焼きうどんやおにぎりでお腹を膨らませるということが結構な頻度でありました。帰るタクシー代節約のために(下っ端はタクシーチケット自腹)サウナかカプセルホテルにお泊りなんてこともままありました。今はありえない24時間働けますか状態で、植木等のスーダラ節の如く、これじゃ体に良いわけないですよね。
その三 で、先輩方の二日酔いを察知すると(といっても大声でハチマキだあ、なんて隠語で要求してます)黙って会議室を予約して灰皿を並べ、食堂にポットにたっぷりのコーヒーを注文しておくことが務め。ちゃんとメイド服着たおばちゃんがしずしずと運んでくれる良い時代でありました。で、チーム会議の準備ができましたとご案内するわけです。午後からやっと本格的に仕事稼働なんてなるからやっぱり終わるのが深夜、魔のサイクルが繰り返されます。
その四 おつまみが良くて貸卓料がリーズナブルなお気に入り店の麻雀卓確保。麻雀もブームでした。毎週末はチーム男性メンバーほぼ全員で卓を囲むため、下っ端は雀荘のおやじの出勤時間ピッタリに予約電話を入れることがお役目で、他部署に獲られたりすると評価ダダ下がりとなるので結構必死でした。年末の麻雀大会の企画と荒巻や数の子、銘酒といった正月用品の賞品手配も言われなくても準備しなくてはなりません。