2026年施行の改正法(労務関連以外)(その2)
2026年に施行される改正法のうち、労務関連法については既に掲載されましたので、本稿では経営者として知っておくべきその他の分野の法律改正をまとめました。
| 1.中小受託取引適正化法 2.受託中小企業振興法(以上前号) 3.不動産登記法 4.労働安全衛生法 5.流通業務総合効率化法 6.著作権法 7.建物の区分所有等に関する法律、マンションの管理の適正化の推進に関する法律等 |
3.不動産登記法
(1)所有不動産記録証明制度等の創設(2026年2月2日施行)
相続登記申請の義務化と併せて、相続人が被相続人名義の不動産を把握しやすくするため、登記官が、特定の者が所有権の登記名義人として記録されている不動産を一覧的にリスト化し、証明する制度が新たに設けられました。(119条の2)
登記官が他の公的機関(住基ネットなど)から取得した死亡情報に基づいて、不動産登記簿上に死亡の事実を符号によって表示する制度も新設されました。(76条の4)
(2)住所等変更登記の義務化(2026年4月1日施行)
登記簿上の所有者は、その住所等を変更した日から2年以内に住所等の変更登記を申請しなければなりません(76条の5)。注意すべき点として、施行日(2026年4月1日)前に所有権の登記名義人の住所等について変更があった場合についても適用され、当該所有権の登記名義人は、その変更があった日又は当該 施行日のいずれか遅い日から2年以内に、住所等変更登記を申請しなければなりません(附則5条7項)。
正当な理由がないにもかかわらず申請をしなかったときは、5万円以下の過料の適用対象となります(164条2項)。
(3)職権による住所等変更登記(2026年4月1日施行)
住所等の変更登記の手続の簡素化・合理化を図る観点から、法務局が他の公的機関から取得した情報に基づき、職権で住所等の変更登記を行う制度が設けられました(76条の6)。
所有者が自然人(個人)の場合、住基ネットへの照会に必要な生年月日等の情報を提供する必要があります。また、変更登記がされるのは、本人の了解が得られた場合に限ります。所有者が法人の場合、商業・法人登記上で住所等に変更があれば、不動産登記とのシステム連携が行われます。会社法人等番号の登記事項追加は2024年4月1日から施行されています。
4.労働安全衛生法(2026年4月1日施行)
事業者は、高年齢者の労働災害の防止を図るため、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理その他の必要な措置を講ずるように努めなければならないこととされました(62条の2第1項)。詳細については、高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン(エイジフレンドリーガイドライン)をご覧ください。
なお、高年齢労働者の労働災害防止のための設備改善や専門家による指導を受けるための経費の一部を補助する制度(エイジフレンドリー補助金)があります。

